ソフトフォトニクス合同会社
NIMSが開発した「フォトニックラバー」は、微粒子が3次元周期配列した内部構造を持ち、変形により色の変わる弾性構造色材料である
NIMSが開発した「フォトニックラバー」は、微粒子が3次元周期配列した内部構造を持ち、変形により色の変わる弾性構造色材料である
ゴムなどの弾性体シート中にナノ粒子の周期配列構造を形成させた弾性構造色材料(フォトニックラバー:Photonic Rubber)は、このシートを水平方向に引っ張ると垂直方向は圧縮するため、構造色はオリジナルの赤色から緑色へと変色する。この構造色変化は、ナノ粒子の3次元周期配列構造が縮小し、ブラッグ回折により、波長も低波長側へ移動するために起こる現象である。この配列周期の変化は10nmレベルで、 加える応力を取り除くと元に戻る特性を持つ。
【本技術の特徴】
① 弾性材料の内部にコロイド結晶を形成している。
② 構造色は素材のの弾性変形量に応じて変色する。
③ ブラッグ回折の波長変化は歪み量に対応する。
④ 応力による歪み分布を構造色の変化として可視化できる。
【本技術の応用事例・想定用途】
ナノレベルの結晶粒子を大面積で、配列させ、固める方法は、自己組織化と呼ばれる「粒径の同じ粒子が自ら並ぶ」特性を利用し、大面積で均質な材料に作り込むことに成功した。さらに、ラバー素材にすることで、特性が容易に変化できるようになった。世の中にない素材であり、力のセンシング、力の可視化など、多くの分野に展開できる可能性が期待されているが、量産に向けた製造プロセス開発、商品化の具体化の課題もあることから、NIMSの支援を受け、ベンチャー企業ソフトフォトニクス合同会社を立上げ、事業化を加速する。