横河電機は電磁気駆動方式振動センサーを製品化している。このほど本技術を進化させ、MEMS構造を採用して磁石が不要な静電駆動式の高精度の気圧センサーを開発した。
【本技術の概要】
MEMS構造を用いたシリコンレゾナントセンサーの振動子は、静電気力によって駆動するため小型化及び高温での使用が可能となることから、気圧・圧力センサー・歪みセンサー・加速度センサーなど様々なアプリケーションへの用途拡大が期待されている。
同社はシリコンレゾナントセンサーを用いて、精度2.5 Pa、分解能0.1 Pa相当の圧力標準器と同等の性能を持った気圧センサーを開発した。
開発した圧力センサーの断面像では、振動子はダイヤフラム上に形成され、ダイヤフラムの直下に圧力の基準となる真空室を形成した。振動子はその両側の真空ギャップを介して2つの電極に挟まれ、一方の駆動電極との間の交流の静電気力によって電極と垂直方向に励振される。同時に,他方の信号検出電極との間の静電容量の変化によって、周波数に応じた交流電流を出力する構造となっている。
外部から本センサー上面に圧力が印加されるとダイヤフラムが撓たわみ、振動子の軸方向に応力が加わり圧力に応じた共振周波数の変化が生じる。この現象を利用して、共振周波数を測定することにより印加された圧力の大きさを測定することができる。
横河技報 Vol.60 No.1 (2017)
【本技術の特徴】
① 単結晶シリコン振動子と超低ノイズ回路により1千万分の1を検出。
② 圧力標準器と同等の分解能(0.1Pa相当)。
③ 省電力化(電池駆動)、小型化実現。
④ 高圧印加時でも共振、検出可能。
⑤ 単結晶シリコンレゾナントセンサー搭載により、長期間安定した特性を発揮。
・気圧センサー
・ひずみセンサー
・サニタリ用アダプタシステム