有望技術紹介

26 温度変化の影響を受けない有機圧電材料

三井化学株式会社
三井化学は、高感度で柔軟性があり、温度変化の影響を受けない(非焦電性)の特徴を持つ有機圧電材料を開発した。

φ0.4mmの極細同軸線状構造とした材料で、フレキシブルかつ任意の長さに「切って、貼って、測る」ことができるセンシング素材である。
フィルム形状の製品として「ミューレックス®(μFLEX®)」がある。本フィルムを細幅にスリットしたリボン形状とすることで、3次元の凹凸にもフィットするフレキシブル同軸線構造の張力センサー(ピエゾラ®)とした。


同軸線の中心部は合成繊維の側面にらせん状に巻きつけられた銅箔リボンで構成し、同軸線の絶縁部に細幅の有機圧電フィルムを中心導体の側面に、中心軸方向に対し隙間なく、らせん状巻き付けられている。さらに、有機圧電フィルムの絶縁層の外側にも銅箔を巻付けた構造。

【本技術の特徴】
① ピエゾラ®に張力が加わると、張力に比例した電荷を出力するので、待機電力を必要としない。
② フレキシブルな構造であるので、曲げ・接触・振動などのセンサーとして利用が可能。
③ 任意の長さにカットすることが可能なので、様々な対象物に配置することができる。
④ 高感度であることから、人の脈拍や呼吸なども感知できる繊細さを持っている。
⑤ 非焦電性のためインフラ系でも利用でき、高い信頼性を持っている。

【本技術の応用事例・想定用途】
待機電力は不要で、曲げ・接触・振動などのセンサーとして利用ができる。人の脈拍や呼吸なども感知できる繊細さと非焦電性のため、インフラ用途のみならず、健康・医薬、介護など幅広い用途に採用される期待がある。
① 介護ベッド用見守りセンサー
② 心拍/呼吸センシング
③ 各種センサー:株式会社村田製作所はミューフレックス®の圧電フィルムを積層することで押圧検知や折り曲げ角度での検知が可能なセンサー「PicoLeaf®」を開発。

本技術と企業の説明PDFのダウンロード

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