株式会社ADEKA
株式会社ADEKAは、UVや可視光(LED)で硬化が可能で、VOC(揮発性有機化合物)の発生が少ない⽔溶性UV硬化樹脂材料を開発した。
株式会社ADEKAは、UVや可視光(LED)で硬化が可能で、VOC(揮発性有機化合物)の発生が少ない⽔溶性UV硬化樹脂材料を開発した。
【本技術の概要】
当材料はUV硬化後に⾼密度構造を形成するため、酸素バリア性が⾼まり、包装材では内容物の品質保持性能が向上する。また、従来の⽔系UV硬化材料に比較して、反応性が⾼く、⾼耐⽔性を特徴とする。 さらに有機溶剤を使⽤しないことで作業者の健康への悪影響を及ぼさず、⼤気汚染やシックハウス症候群など、くらしにおけるリスクを最⼩限に抑える効果を持つ。
- 有機溶媒を使⽤しない
今回開発した材料は、⽔に溶けやすい分⼦構造のため⽔の溶解性が高いことを特徴とする。そのため、有機溶媒を使用する必要がないので、乾燥工程において、VOCを発生することがない。 - 耐⽔性が⾼い
従来の⽔系材料では、⽔分への耐性が低くなる傾向であったが、構造・ 配合の設計を最適化することで反応性を高め、硬化膜の⾼耐⽔性を実現した。 - 酸素バリア性が高い
ポリエチレン等のプラスチックフィルム上に当材料をコーティングすることで、酸素透過性を約 10分の1 に低下させることができた。内容物の酸化防⽌と保存性向上が期待できる。 - LED光源による硬化も可能
当材料は、⽔銀ランプによる硬化に加え、LED ランプの幅広い波⻑(365, 385, 395, 405 nm)で硬化することができる。
【応用展開】
応用可能な用途として、印刷インキ、コーティング剤、フォトレジスト材料、回路形成材料、塗料、接着剤などが想定される。中でも、⽔のみでパターニングすることが可能なことから、フォトレジスト材料や回路形成材料といった電⼦材料分野で、有機溶媒に弱いプラスチック基剤向けでの活⽤が期待される。