光学特性を損なわない切断面が得られ、後処理が不要となる
ディスプレイ関連の高機能フィルムなどは、硬くて脆い性質の材料が多く、切断時にクラック、剥離、かえり、粉等々が発生する。これらの現象の多くは刃先形状のミスマッチからくる。こうした課題に対し、ファインテックは切るものに合わせて最適な刃先形状を研究開発することで、一発の切断で鏡面仕上げに匹敵する切断面を作り出すことが出来る「ファイリー刃」を開発した。さらに刃の交換の手間や時間的なロスの削減を実現し、生産効率をも大幅に向上させた。
【本技術の特徴】
ファインテックでは、超硬合金の硬いが靱性が弱く欠けやすいという点を刃先先端をR20nmの精度で加工する技術によって克服。顧客の求める切断面を「一発で切って実現するファイリー刃」が、通常存在する後工程を不要とし、劇的な工程の短縮に伴う大幅なコスト削減や長寿命を実現した。
① 積層フィルムを連続30万ショット切断後の面は、高品質を維持し、ゴミの発生もなかった(長寿命)。
② 高硬度フィルムの切断では、切断面のクラック発生がなかった。
③ リチウムイオン電池用包材(アルミ箔+活物質)の切断面には、剥離、かえり、斜め切断などが発生しなかった。
④ セラミック基板の切断では、切断面の剥離、粉が確認されず、後処理工程が不要となった。
市販の刃物で1万回切断した後の切断面と「ファイリー刃」で30万回切断した後の切断面を比較した写真を示した。「ファイリー刃」の方が、綺麗な切断面を維持できていることが分かる。切断精度、切断表面の品質、効率性、信頼性が向上し、コストダウンと長寿命化が図れる。
<積層フィルムの切断例>
【本技術の応用事例・想定用途】
自動車産業、医療産業、半導体産業、電子部品産業、航空機産業、食品産業、繊維産業、プラスチック産業、高機能フィルム産業などあらゆる分野へ最適な切断法を提供する
自動車向け燃料電池や携帯向け高機能フィルム等の切断で、すでに世界中で実績を持つ。